3Dソフトでサーフボードを設計してみた
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最近主流になってきている、シェイプマシーン。
3Dフリーソフトでファイルを工場に送れば、望み通りのボードを作ってくれる。
自分はスレーターデザインのOMNIをベースに作ってみた。
自分に合った適切なボリュームの計算方法というのがある。自分は体重68kgなので、0.35を掛けた数字が適切なボリューム。
中級者のレベル低~大で、30L~35L。それをOMNIのチャートから見ると、5’9がちょうど良さそうだ。
5’9の幅、厚さを参考にデザインしてみる。少しボトムにコンケーブもつけてみた。
ボード製作費用はテールの形にかかわりなく一定だったので、クールなダブルウィングバットテールにする。
ロッカーは少し緩めに、ノーズは広めに。
と、この記事を書いているうちに、すでにスレーターデザインで同じようなデザインの板があることを知る。その名もCymatic。
こちらのメーカーはEPSフォームで制作する場合に必ず、強度を出しデッキの凸凹をなくすためにバンブーレイヤーを入れているということ。自分はバンブーの自然素材が好きだし、FiireWireのRapidfireにも似ているので大賛成(カーボンの選択肢もあったが割高)。
デザインは、以下の画像を参考に作ってもらえるようお願いする。
(動画は字幕をONにしてご覧ください)
工場に注文後、ほぼ毎日のように進捗状況のレポートが動画とか画像で送られる。以下の画像はレールを補強するためにケブラーを塗ったばかり。
*ケブラー(Kevlar)とは、分子構造が剛直で直鎖状の骨格を持つために、高強度・高耐熱性であり、同じ重さの鋼鉄と比べて5倍の強度を持つ。
フィンボックスの周囲はPVCを埋め込んで補強。
デッキにはバンブーレイヤーが貼られる。
これを貼るだけで、デッキの凸凹を最小限に防げるとか。
ハワイの有名な日本人シェーバーMitsuさんによれば、「クロスやフォームは重く硬くすれば強くなるが、一度ぶつけた所はその衝撃を吸収して2度目はもう強度がなくなってしまう。それはちょうどゆで卵の殻の様…. 固いようだけど一度表面が割れてしまったら終わりで 弾力性のない強さ」
Mitsuさんはお客さんのアダムにバンブーデッキのボードを提供され、
試乗後の分析を以下のように語られる。
「まず、ボード自体のしなりがなくなるのではアダムも心配していたのですが 試乗してみた所 初日からOKが出ました。これはバンブーが硬い素材でレールを巻きこむことが出来ないためデッキの平らな部分だけにしか使っていないことから、ボードのしなりに支障がなかったようです。
重さはと言うと、正直あまり感じません。これはバンブー自体がクロスと違って、樹脂を吸い込んでいこうとしないので表面だけしっかりくっついているので、余分な樹脂が存在していない事になるからです。
強度はというと、これもバッチリです。アダムは通常板をおろして2時間もすれば無数の凹みで、2日も使えばもう板全体が陥没ですが、ごくわずかな凹みが出ただけです。フォーム自体は今までの中で一番軽い1.5パウンドなのでその分柔らかくなっているにもかかわらず。ですからこれも、よしとします。
と言うわけで 大ほめのバンブーデッキですが 要するにファイヤーワイヤーとほぼ同じ構造と強度あります。薄くて強くてしなって、更には衝撃を受けた部分がヘタリ難いからいつまでも、強度が残るみたい」
というわけで、バンブーデッキのボードは一生もののボードにもなるかも。
バキューム方式で真空パックにしてバンブーシートを圧着。これはデッキとの剥離の問題を避けるためにも不可欠。
エアーを抜いた後はレールをグラスファイバーで巻いてサンディング。
仕上げ、ほぼ完成に近づく。
完成。ノーズはCymaticより広め。
そしてついにコンテナ搬入の日
しっかりラッピングされている。
レールの大きさに切られた発泡スチロール
同じようにデッキとボトムにも。
発泡スチロールを取り除くとプチプチで包装されていた。
プチプチを取るとさらに紙で覆われている。
そしてついにバンブーが現れた。
フィンボックスの収まり方をチェック。
樹脂での収められ方も問題なし。
設計通りにシェイプされていた。
クールなダブルウィングバットテール。
しっかり埋め込まれているフィンボックス、樹脂も分厚く、ここがもぎ取れることはまずないだろう。
テストライドが楽しみ。