波や風向きの予想を立てるのに有力なツールになる天気図

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波や風向きの予想を立てるのに有力なツールになる天気図

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波や風向きの予想を立てるのに有力なツールになる天気図。
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例えば本日の天気図、梅雨前線が沖縄に停滞していますが、一般に停滞前線がある場合、遠くからうねりがもたらされるということはありません。

低気圧がサーフポイントから程よい位置にあって、そこから延びる前線も、寒冷前線、温暖前線とはっきり分かれている場合は、うねりが発生します。そして、風は反時計回りで回っているので、風向きを比較的容易に予想し、うねりが入るのかも予想を立てやすくなります。

いずれにしても天気図は波の予想を立てる強力なツールです。

その読み方について http://www.jma-net.go.jp/matsue/chisiki/column/front/front.html より。

前線の種類

前線は気団(気温や水蒸気の量がほぼ一様な空気の塊、寒気団、暖気団などがある)と気団の境目に発生し、その境目では気温の差が大きく、風も急に変わる場合が多くあります。前線は互いにぶつかり合う気団の勢力によって4種類に分類されます。暖気団の勢力が強く寒気団側に移動する温暖前線、寒気団の勢力が強く暖気団側に移動する寒冷前線、温帯低気圧の発達に伴ってできる閉塞前線、寒気団と暖気団の勢力が同じくらいの停滞前線です。

天気図上で、前線は下の図のように表されます(図1、2、6)。温暖前線は図中の赤色の線、寒冷前線は青色の線、閉塞前線は紫色の線で示しています。また、停滞前線は図6のように表現します。一般的に低緯度から流れ込む空気は暖かく、高緯度から流れ込む空気は寒冷です。さらに、北半球では、一般的に空気塊は低気圧の周りを反時計まわりに回りながら低気圧の中心に流れ込むので、はじめは暖かい空気と寒冷な空気によって図1のように前線が形成されます。この低気圧が発達していき、寒冷前線が温暖前線に追いつくと、閉塞前線が形成されます(図2)。

 

前線を伴う温帯低気圧の付近のイメージ図(発達中)

図1 発達中の温帯低気圧

 

前線を伴う温帯低気圧の付近のイメージ図(衰弱期)

図2 衰弱期の温帯低気圧

 

 

温暖前線

寒気団に比べ暖気団の方が優勢なときの前線で、図3のように寒気団の上に暖気団が乗り上げます。このため前線から1000km以上も離れた進行方向前面の上空には巻雲が現れ、前線に近づくにつれて低い雲となります。普通、前線から進行方向前面300kmくらいまでの間では雨や雪が連続して降ります。

温暖前線の鉛直断面図

図3 温暖前線の鉛直断面図(図1の点線Aの断面)

 

寒冷前線

寒気団の方が暖気団に比べて優勢なときの前線で、寒気団は図4のように暖気団の下に潜り込んで前進します。このため、前線付近では暖気団が強制的に上昇させられて積乱雲ができて、短時間に強い雨が降ります。寒冷前線の通過時には気温が急激に下がり、風向きが急変して突風を伴い、雷が発生することがあります。

寒冷前線の鉛直断面図

図4 寒冷前線の鉛直断面図(図1の点線Bの断面)

 

閉塞前線

温帯低気圧が発達して、寒冷前線が温暖前線に追いついたときにできます。追いついた寒冷前線の後ろ側の寒気団が、先行していた温暖前線の前方にある寒気団より冷たいときは、寒冷型の閉塞前線(図5)、暖かければ温暖型の閉塞前線となります。

閉塞前線の鉛直断面図

図5 閉塞前線の断面図(図2の点線Cの断面)

 

停滞前線

暖気団と寒気団との勢力が伯仲しているときの前線で、ほとんど同じ位置に停滞します。そのため、長時間雨が降りやすくなります(図6)。梅雨前線はこの停滞前線です。

梅雨前線とその付近のイメージ図

図6 停滞前線とその付近のイメージ図

 

まとめ

空気は暖まると軽くなり上昇し、冷えると重くなり下降する。重くなった空気は地面を押さえ圧力をかけた状態となる。これが気圧だ。暖まった空気は上昇し、地面に対して圧力が少なくなる。その部分を低気圧といい、逆に空気が冷え重たくなった部分を高気圧というわけだ。空気は気圧の高い方から低い方へ流れ込む。この空気の流れが風なのだ。ただし地球は自転しているため、空気は高気圧から低気圧に向かって真っ直ぐ吹くわけではない。北半球では高気圧から吹き出す風は時計回り、低気圧へ吹き込む風は左回りとほぼ決まっている。ちなみに南半球ではこれが逆になる。